コンテンツ制作の参考になるWikipediaの”秀逸な記事”

コンテンツ制作者が知っておきたいWikipediaの”秀逸な記事” 2016.04.22

    Writer:編集長「小澤」
Wikipediaロゴ

こんにちは。
コンテンツマーケティング事業部部長の小澤です。

最近、新入社員のみんながコンテンツとは何かを考えて実践する機会も多くなってきました。
コレって、結構簡単な様で難しいのですが、その一つの回答と言いますか、例として覚えておきたいのがWikipediaの秀逸な記事です。

0.007%しか存在しないWikipediaの”秀逸な記事”とは

Wikipediaは、今や日本中、世界中で参照されるオープンソースのデータベースとして、昼夜コンテンツを量産し続けている超巨大インターネットメディアです。
誰もが自由に参照できて新しいページを作れて編集できる、まさに人類の知識の集約とも言えるようなサイトです。
ちなみに、現在は廃止されてしまいましたが、Googleがサイトを格付けした一つの指標として名高いページランクでは9をマークされていました。(ページランクの最高は10)

日本語版Wikipediaは100万以上の記事がある

そんなWikipediaでは、各言語によって記事の数が変わるのですが、現在のところ日本語版では100万を超える1,119,878本の記事が制作されています。(2018年9月9日現在)
そんな膨大な記事の中でも、今月最も閲覧されているのは、「パナマ文書」ですが、コレにものすごい勢いで近づいているのが「熊本地震」です。
実は、Wikipediaではページのトレンドも見ることが出来ます。

参考:https://tools.wmflabs.org/wikitrends/japanese-uptrends-this-month.html

83本しか存在しない”秀逸な記事”

さて、1日100記事見ても28年近くかかるWikipediaの記事ですが、その中でも特に優れた記事として、Wikipediaが公に認めている記事が有るのを知っていたでしょうか?

それが、”秀逸な記事”という日本語版では77本しか無い非常に優れたコンテンツです。
これらのコンテンツは、百科事典の記事としての「質」・「量」・「書式」に問題がないということが選考基準となるようですが、全体から考えると約0.007%と非常に少ない記事しか無いので、それだけ内容が優れていると言えるでしょう。

”秀逸な記事”のコンテンツはどういったものか

では、もう少し詳しくこの”秀逸な記事”について見てみましょう。
まず、Wikipediaにはいくつかカテゴリ(ジャンル)というものが有ります。”秀逸な記事”が存在するカテゴリは次の9つです。
哲学・歴史・社会科学・自然科学・技術・産業・芸術・言語・文学
では、この中にある記事膨大な記事の中からどうやって秀逸さを選考しているのでしょうか?

”秀逸な記事”の選考方法

Wikipediaの”秀逸な記事”をまとめたページには次のように書かれています。

秀逸な記事の選考によって以下の条件を満たしていると認められた記事が、秀逸な記事となります。

  • ・その主題を扱う専門家(研究者、実務家、その他)から見て、百科事典において必ず説明されるべきことが全て説明されている。ただし、何が必須かは部分的には関連記事との連携・分担関係にもよる。
  • ・詳しくない読者にもその主題について理解できるように、わかりやすく書かれている。ただし、高度に専門的な主題を扱ったものであれば、関連記事を読んで理解していることを前提にするのは問題ない。
  • ・内容が充実している。必須の点だけをわかりやすくカバーしただけでは不十分。
  • ・完成度が高い。文章が読みやすい、構成がしっかりしている、明らかに未完成な部分がない、(可能なら)図や画像や表などがついている、など。
  • ・観点の中立性が保たれている。
  • ・必要な出典が記事全体を通して十分に挙げられており、個々の記述の根拠が脚注や本文中で明らかにされている。特に、肯定的・否定的・主観的な表現については出典が付けられていることが望ましい。
  • ・以上の点が全て満たされている。

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:秀逸な記事

ここから考えるに、Wikipediaにおける”秀逸な記事”とは、いわゆるミーシー(もれなく・ダブりなく)な内容で、誰が見てもわかりやすく、根拠がしっかりしている記事ということでしょうか。

このコンテンツの詳しいところは、Wikipediaには「完璧な記事」という、最良のコンテンツを定義づけているページが有りますので、それを参照すると良いでしょう。

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:完璧な記事

Wikipediaに適したコンテンツを書くために

しかし、上記のリンクページ、完璧な記事を最後まで読んで見るとわかりますが、有るんです真実が。

しかし・・・こんな記事は・・・存在しません。



そう、完璧な記事などこの世に存在しないのです。
この言葉、ライター冥利に付きますね。

それでも、Wikipediaは優しいのでより良いコンテンツを書くためのヒントを提供してくれています。

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:素晴らしい記事を書くには

もし、Wikipedia上で何か自分だけが造詣が深いコンテンツを制作できると考えたのであれば、この辺りのページに書かれているルールや書き方を勉強してみることは必要となるでしょう。

自分で書いた記事も”秀逸な記事”に推薦できる

では、だれがこの記事が優秀であることを決めるのでしょうか?
実は、この選考は有志の投票によって進められます。
そして、選考対象となる記事は面白なと思った記事を推薦しても結構ですし、自己推薦でもOKです。
ただし、IPユーザーは推薦が出来ないためWikipediaのログインユーザーでなければなりません。
つまり、自分で良く書けたな、と自信を持つことが出来る記事ができたらそのまま選考させてしまうことも出来るのです。

そして、その後厳しい選考の中、賛成票を集めて見事”秀逸な記事”に選出された場合は、その記事はWikipediaのメインページでローテーションされて永遠に人類に役立つコンテンツとして閲覧され続けるのです。

更に面白い”秀逸な記事”5選

と言う風に、誰が読んでも面白く役立つようにできているWikipediaの”秀逸な記事”ですが、その中でも個人的に面白いと思った記事を5つ選んで見ました。

1.【自然科学】内科学:地方病 (日本住血吸虫症)

本項で解説する地方病(ちほうびょう)とは、日本住血吸虫症(にほんじゅうけつきゅうちゅうしょう)の山梨県における呼称であり、長い間その原因が明らかにならず住民を苦しめた感染症である。ここではその克服・撲滅に至る歴史について説明する。

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/地方病_(日本住血吸虫症)

メルマガでも書いた記事なのですが、僕の故郷山梨県で長きに渡り闘われてきた「謎の奇病」の発見から終息までをまとめた非常に読み応えの有る記事です。
まるでSFでも見ているかのような壮大な物語が、小さな地方で繰り広げられていたかと思うと考えさせられるものがあります。

2.【哲学】心理学:ノストラダムス

ミシェル・ノストラダムス(Michel Nostradamus、1503年12月14日 - 1566年7月2日)は、ルネサンス期フランスの医師、占星術師、詩人。また料理研究の著作も著している。日本では「ノストラダムスの大予言」の名で知られる詩集を著した。彼の予言は、現在に至るまで多くの信奉者を生み出し、様々な論争を引き起こしてきた。

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/ノストラダムス

僕より下の世代ではもうあまり知られていないかもしれないが、今から20年程前に非常に話題となった人物。
彼はその予言の中で「1999年にアンゴルモアの大王が現れて世界が滅ぼされる」ということを記した。
結果的に世界は終わらなかったわけだが、現在でも時折話題になるオカルト界隈の超有名人。

3.【自然科学】数学:0.999...

数学において、十進法表示したときに小数点以下の各位にすべて 9 が並ぶ循環小数 0.999… が実数を表すものならば、それはちょうど 1 に等しい。

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/0.999...

これは、僕が中学生の頃に衝撃を覚えた数式。
中学生並の知識があればわかってしまうというのも今考えればポイントだったかもしれない。
数学なんて興味無いよ、という人も読んでみて欲しい。

4.【産業】商業:チンドン屋

チンドン屋(チンドンや)は、チンドン太鼓と呼ばれる楽器を鳴らすなどし、平成では珍しい出で立ちで人目を集め、その地域の商品や店舗などの宣伝を行う日本の請負広告業である。

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/チンドン屋

なんでこんなものが”秀逸な記事”に…?
と思うかもしれないが、一度見てみればそのコンテンツの量に驚くはずです。
一体誰がこの項目にここまで情熱を注いだのかは謎ですが、こんなものにもこんなにも文献が存在するのかということに驚かされます。
こうしてネット上で面白いコンテンツを制作しようと考えている僕たちなんて、現代のチンドン屋と言っても過言じゃないので、読んでおいて損はないでしょう。

5.【芸術】絵画、書、書道 :桂正和

桂 正和(かつら まさかず、本名同じ、1962年12月10日 - )は、日本の男性漫画家。プロダクション名は STUDIO K2R。福井県生まれの千葉県育ち。阿佐ヶ谷美術専門学校中退。血液型はA型。

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/桂正和

なんと、生きながらにして”秀逸な記事”の対象になるとは!桂先生!
鳥山明先生にはDr.スランプで田舎者としてバカにされていたのに、こんなにも輝いている!(本当に尊敬してます。)
いや、実際『I's』は僕が子供の頃のバイブルと言っても差し支えないくらい勉強させてもらいました。

それにしても、桂先生の記事は随分熱心なファンが居るんだなと改めて思わされるくらいの充実ぶりです。
それだけ先生の絵には魅力が有るということなのでしょうか。
まさかゴッホと並んでここまでのコンテンツを制作されるとは先生も思っていなかったでしょうね。

Webコンテンツ制作者は絶対に参考にすべき

以上、”秀逸な記事”の中でも更に面白い”秀逸な記事”5選でした。

特にWebコンテンツ制作者にとってはこれほど参考になるコンテンツもそうそうありません。
ユーザーのことを思い、そして他のコンテンツと差別化を図り、価値ある情報を提供しているという点では、そうそう右に出るものはありません。
適切なリンク、読みやすい文章量、わかりやすい画像や図解、ブレない視点など、Webにおけるコンテンツではこれほど勉強になる物は珍しいです。

この他にも読み応えの有る記事がたくさんあるので、是非とも読んでみてください。
そして何故かというか、なるほどというか、競馬関係の記事は特に多いですね。

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:秀逸な記事

Writer:編集長「小澤」
編集長「小澤」
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