東晶のグルメ 港区赤坂2丁目のよくばり定食

東晶のグルメ 第一話 港区赤坂2丁目のよくばり定食 2016.05.20

    Writer:鳴沢
東晶のグルメ 第一話

5月某日午後1時、私はウキウキ気分で路地を歩いていた。
それはもちろん、東晶貿易のランチタイムだからである。

しかもその日は特別だった。
普段はオフィスのあるビル内の店か、せいぜい六本木一丁目駅地下まで歩いて行く程度だが、
今回はたまたま取材のために、Nさんと共に昼に赤坂まで外出していたのだ。

これはチャンスである。
いつもと違うお昼ご飯を食べる、大チャンスである。
さて、どこで食べようか。何を食べようか。

うまい店との出会いは突然に

赤坂は想像以上に坂が多かった。取材先に行くだけで相当にくたびれてしまった。
午前の自分を労うためにも、午後の自分を奮い立たせるためにも、ボリュームのあるものを食べておきたい。
かつ、単調にならないように色々食べられるメニューがいい。

「それはさすがに欲張りすぎか…。」

天啓、降りる



欲張りなあなたへ


ん?



ん!?

よくばり定食だって!?

ここしかない!

私はNさんに一言も相談することなく今日の店を決めた。

もうこれ欲張りなあなたへ2しか見えなかった。

選べる2品、悩めるK

「ほう、6品から選べるのか」
ボードに貼りだされたメニューは肉に魚、煮物に揚げ物、ラーメンまで揃っている。
その中から2品選んで950円。さらに追加もできる。
小鉢に生卵もついてきて万全の陣営だ。
ごはんの大盛り無料がうれしい。

悩むのが楽しいとは言うけれど



「私はこれ」
Nさんは即決である。何事もテキパキ、ズバズバと進めていく性格は、お昼にもはっきり表れる。
と思いきや、右側別メニューちらし寿司の札を手に取る。流石にそれはおかずではないだろう…。
「じゃあ肉と魚で」
それでもブレない。

一方の私はかなり優柔不断なのだ。
お昼のメニューくらいで悩むなんて、とお思いになった方もいるかもしれない。
しかし、こういう些細なことほどむしろ迷いに迷う。そういうものである。

しかし、昼休みの時間は限られている。
おまけに一人ではないから待たせるわけにもいかない。
頭脳をフル回転させねば…。

3分の脳内会議

「定食屋でラーメンは気になるな」
ラーメン屋でごはんが付いてくる、とか、食堂でラーメンが出る、とかいう光景は珍しくない。
だが、ごはん付きの定食にラーメンを付けられる、というこの絶妙なポジションは面白い。
おかずなのか、あくまでもメインなのか、どっちなんだ。気になる。
うん、1品目は決まった。

そうすると、もう一品はおかずとしてしっかり立っているものがいい。
刺し身も捨てがたいが、やはり昼食はもっとこうグワッといきたい。やはりだ、
かといって揚げ物はラーメンと合わせるとパンチが強すぎるかもしれないな。
煮物か、焼き物か。今日は熱いし、煮物はよしておこう。
よし、決まりだ!

ついにご対面、よくばり定食

と、結局散々迷ったあげくに頼んだものがこちら。

よくばり定食登場


■よくばり定食 おかず2種(みそラーメン・大山鶏の刺身ステーキ)ご飯大盛り

「おおっ」
見るからにうまそうだ。そしてこの器にてんこもりの重厚感いい。
赤坂のアップダウンでクタクタのペコペコになった私にはもはや我慢できない。
写真を撮るのもそこそこにして、さっそく箸をとる。

いい意味で期待を裏切るみそラーメン



まずはラーメンからいただく。のびてしまっては勿体無い。

みそラーメン


なるほど。

うまい。

ラーメンの中でも、味噌ラーメンは今日では比較的数の少ないジャンルになってしまった感があるが、その奥は深い。
そしてこのラーメンは、しっかりと味噌ラーメンを演じているのに、くどくない。

あくまでおかずではなく、主役の一人として張っているように見えるが、
決してでしゃばりすぎることはなく、他のおかずもごはんもスルスルと食べられる。

うん、セットならこういうのでいいんだ。こういうので。
それでもしっかりと乗ったチャーシューに、半熟卵までついているのが心憎い。

ごはんが止まらない鶏ステーキ



もう一品のおかずがこれだ。

鶏刺身ステーキ


刺身ステーキとは一体どういうものかと不思議に思っていたが、運ばれてきたビジュアルをみて納得した。
とても美しいミディアムレアに焼かれている。さしずめ鳥のたたきといったところだろうか。表面の焼き目から上る香りが食欲をそそる。

食べる。

「うまい!」

うまい。

とてもうまい。

部位は多分ササミだろう。しかしササミ特有の淡白さも、パサパサとした食感もない。
肉そのもののに加えて、焼き方のが効いている。ジューシーで、ごはんのおかずとしても一流だ。
いっしょに運ばれてきたわさび醤油柚子胡椒をちょっと付けて食べるともうたまらない。

うずらの卵をごはんに割り入れて、なんちゃって親子丼にしてみる。大山鶏とうずらでは遠縁すぎるか。
そのまま掻き込む。

ああ、どこまでもおいしい。ごはんがもう一杯ほしい。

昼休みの行き先にまた一軒追加された昼下がり

名残惜しいながらも、この至福のひとときにも終わりが訪れる。

最後の一口は、せつない。

完食


ごちそうさま。

…と、ここまで目の前のNさん完全に置きざりにして自分の世界に入ってしまっていた。
まずい、帰ったらガソリンご機嫌を取っておこう。

期待以上の満足感にほくほく顔で店を後にする。帰り道は下り坂なのでほっとした。
思ったよりオフィスに近かったので、ちょっと頑張れば外出が無くても行けるかもしれない。
いや、行こう。

そんな嬉しい収穫のあった昼下がりだった。

今回のお店

さかなや大将
さかなや大将
東京都港区赤坂2-18-2
平日 11:30 – 15:00 17:30 – 23:45

あっ…、魚食べるべきだったかな…。
Writer:鳴沢
鳴沢
見た目はおじさん、中身もおじさん
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